食品工場の衛生管理~5Sから7Sへ~
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- 2019/06/20
食品工場における衛生管理の基本は「5S」です。5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「習慣(躾)」の5つのことで、衛生管理や安全管理、業務効率化や従業員の規律強化などを目的としています。
90年代以降、日本の食品工場に浸透してきた5Sですが、今、5Sに2つの要素をプラスした「7S」という考え方が主流になりつつあります。今回は、食品工場の衛生管理に欠かせない5Sをおさらいするとともに、7Sについて解説していきます。
■食品工場の衛生管理は「5S」が基本!
食品工場においては、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「習慣(躾)」の5Sを徹底することで、食品の二次汚染や異物混入を予防しなければいけません。一つひとつの「S」の概要は以下のとおりです。
●整理
要るものと要らないものを区別し、要らないものを処分します。 ・製造・加工、調理、包装、保管をおこなう場所に、不要なものを置かないようにします。 ・場内使用禁止物や私物が持ち込まれていないかを確認します。
●整頓 必要なものを、どこに、どのように、どのくらいの量を保管するかを決定します。 ・機械器具やその部品、道具類は決められた場所に保管します。 ・洗浄剤、消毒剤、その他の化学物質は、容器にラベルを貼るなど取扱いに十分注意して保管します。
●清掃 ゴミやほこり、製品残さなどを取り除きます。 ・製造施設やその周辺環境などは定期的に清掃し、工場の稼働中は常に清潔に保ちます。 ・清掃用具も使うたび洗浄して乾燥させ、専用の場所に保管します。
●清潔 整理、整頓、清掃がなされて、きれいな状態を保ちます。 ・施設の内壁、天井、床や製造設備は常に清潔を保ちます。 ・施設・設備は適切に洗浄・殺菌をおこないます。
●習慣(躾:しつけ) 手順やルールを定めて、決められたとおりに実施することを習慣化します。 ・施設・設備・器具、原材料、製品特性を考慮し、これらの適切な管理方法を定め、手順書を作成し、従業員に周知します。 ・定められたルールが守られているか、実施方法が適切で有効かどうかを確認します。
※参考:農林水産省「食品衛生の基本となる5S活動」 http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/haccp/h_pamph/pdf/5s_codex_h2710.pdf |
■微生物汚染を防ぐため「7S」という考え方へ
これまで、食品工場の衛生管理は5Sが基本でしたが、5Sでは不十分との意見もありました。相次ぐ食中毒事件などから、食品工場においては微生物レベルでの衛生管理が求められるようになり、昨今では、5Sに「洗浄」と「殺菌」の2つを追加した「7S」の考え方が一般化しつつあります。
厳密に言うと、上述した5Sの「清潔」の中にも、「洗浄」「殺菌」の文言は含まれていますが、以前より「洗浄」「殺菌」の重要性が高まっているため、この2つを独立させています。これからの食品工場は、洗浄・殺菌を徹底することで、微生物汚染を防止しなければいけません。
●洗浄
施設や設備・作業環境の汚物と有害微生物を除去します。
●殺菌 有害な微生物類の不活性化・除去・増殖の抑制などをおこないます。 |
■まとめ
食品工場における汚染の原因として少なくないのが、そこで働く従業員です。ユニフォームなども含め従業員が不衛生であれば、当然、食品が汚染されるリスクも高くなります。その意味でも、食品衛生の「5S」「7S」のなかでも、「習慣(躾)」は非常に重要な意味を持ちます。
食品工場は従業員への衛生教育を見直す必要がありますが、アルバイト・パートにまで徹底するのは難しい部分もあります。そこで重要になるのが、「自動化」です。つまり、設備機器で代用できる作業は自動化を進め、汚染の原因になる従業員を減らすという考え方です。
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